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同夢の視点(2006年) |
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| 磐田市多文化交流センター (12月25日) |
8月から、伊賀市では外国人居場所づくり支援事業「学習支援教室」を開設しています。不就学の子どもたちをはじめ、日本の学校で教育を受ける上で、困難な状況にある子どもたちの学習環境や学習実態の改善に向けて、国際交流協会・行政・教育委員会・NPO団体・民間団体・ボランティア・住民が協働しながら、日本語指導や教科学習支援を行うことが目的です。12月18日、外国人居場所づくり事業推進委員会は、静岡県磐田市「多文化交流センター」へ視察に行きました。
磐田市は静岡県西部の天竜川東岸に位置し、2005年4月に「磐田市・福田町・竜洋町・豊田町・豊岡村」が合併して誕生しました。2006年11月末現在の総人口175,845人中、外国人登録者は9,306人で、5.29%を占めています。自動車やオートバイなどの輸送機器を中心とした工場が立地している工業都市で、多くの外国人が働いています。外国人市民の増加により、合併前の2003年には外国人共生に取り組む担当部署の共生社会推進室が企画調整課内に設置されました。2005年には共生社会推進課に多文化共生係を設置して、現在、多文化共生推進プランを策定しているところです。
外国人の子どもたちは言葉や文化、生活習慣などの違いから日本の社会に適応できず、将来に夢を持てないなど、多くの課題を抱えていました。国籍や文化の違いにかかわらず、未来を担う子どもたちは社会の重要な人材であると考え、2004年4月に市内2ヶ所に「多文化交流子育て支援センター」を開設しました。設置目的には外国人市民は市の経済発展を支える大きな力であるとともに、多様な文化がもたらすまちづくりの重要な担い手であること。さらに、国籍、文化、習慣、性別、年齢の違いに関わらず、誰もが認め合い、支え合う多文化共生のまちづくりをめざすという、ユニバーサルデザインの理念がありました。
多文化交流子育て支援センターは外国人集住地区の県営住宅の集会場を借りて運営してきました。しかし、利用時間の制限やスペースの狭さなどの問題があり、利用しにくい状況がでてきました。2006年3月、行政への市民スタッフや地域住民の熱心な働きかけが実り、専用施設を建設することができました。新しい施設は県営住宅の前に位置し、通学路にもなっているので、子どもたちは学校の帰りに気軽に立ち寄ることができます。施設名も「多文化交流センター」と名称を変更し、遊び場スペースと学習室を分けて、落ち着いた環境の中で学習支援ができるようになりました。約110人の子どもたちが利用登録をしているそうです。
多文化交流センターでは、地域の人たちの声を聴くことを大切にしています。子どもの教育面では、親は働くことに精一杯で、子どものことを考える余裕がもてないという現実があります。地域や学校の支援が必要であること。親の都合で連れてきた子どもをどのように育てていくのか、働いている企業でも考えていくことが求められること。そして、子どもたちに母語と日本語のどちらを教えたらいいのか。どちらのことばで考えられるようにしたらいいのか。などの課題を抱えながらも、市民スタッフや自治会などが熱い思
いをもって、子どもたちを支援していることがわかりました。
同じように外国人市民が多く生活している伊賀市でも、多文化交流センターの建設は必要であり、多文化共生のまちづくりを推進していくための「指針や計画づくり」を早急に進めていくことが求められるのではないでしょうか。 (孫 美知)
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| 子どもたちからのメッセージ (11月25日) |
伊賀市では、11月11日から12月10日までを「差別をなくす強調月間」と定めています。国でも12月10日を最終日とする1週間を「人権週間」としており、また2004年6月の「障害者基本法」の改正により、12月3日から9日までが「障害者週間」になっています。このような月間や週間は、住民が人権の大切さ考える機会でもあり、行政をはじめ地域や団体などがさまざまな取組みを行っています。私も学校や公民館などから声をかけていただき、人権をテーマにお話をさせていただいています。
10月の下旬、伊賀市内小学校6年生の「総合の時間」に、在日韓国人として生まれた私自身の体験をとおして、感じたこと、思ったことなどを伝えさせていただきました。その6年生の子どもたち全員からお手紙をいただきましたので、一部を紹介させていただきます。
「・・つらいことを話すのはすごく勇気がいったと思います。・・孫さんが自分のつらいことを話してくれたということは、ぼくたちを信用してくれているからだと心で感じました。・・・今、いじめや差別で死んでしまった人がいます。孫さんは、そのことで絶対に死んではいけないと言っていました。それはぼくの心にぐさりとささり、心にしみる言葉でした。なぜかというと、死んだらお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、兄ちゃん、姉ちゃんなどいろいろな人が悲しむからです。人が死ぬということは、いなくなるということで、つまりもう二度と会えなくなるということです。たった一つしかない命をぼくは、大切に大切にしたいと思いました」
「ぼくは、『必ず仲間は見つかる』ということが心に残りました。たとえ、仲間はずれにされたとしても、必ず相談できる人やその気持ちがわかる人が出てくると思う。相談する側だけでなく、相談される側にもなりたいと思います。仲間を大切にすること。他の人のためになることが大切だと思いました」
「ぼくたちのクラスでは、今このお話をしてくれたことをもとに、いじめをなくそうと考えています。今、ちょっとずつなくなっています。・・ぼくも人が喜んでくれることをしていきたいです。ぼくも人のいやな思いがわかるようになりたいです。道徳の勉強でもこのことがわかってから、意見が言えるようになりました」
「孫さんの話をきいて、自分に自信が持てました。これからは体の不自由な人、お年より、幼い子など、身のまわりにいる人たちの役にたつ生き方をしようと思いました。自分から積極的に、不自由な場所や使いにくい物などに声をかけようと思います。外国の人、右きき、左きき、みんなが使いやすい物をふやしていき、差別などをなくすようにします」
「一人ひとりが声を出すことで、周りが変わり、社会が変わると言っていました。少し泣くほど心をこめて話をしてくれて、本当によかったです。ぼくは一人でも周りや社会を変えられることを今日学びました」
子どもたちはさまざまなことに気がつき、自分自身を周りの一人ひとりを大切にすることを理解してくれました。残念ながら全部を紹介することはできませんが、素直な自分の気持ちを書いてくれました。
子どもたちからのメッセージから、あらためて一人ひとりの思いを大切にできる社会にしていきたいと思いました。みんなにとって暮らしやすい社会づくりをめざして、活動をしていくことが同夢の使命だと思っています。みなさん、ありがとうございました。 (孫 美知) |
みんなでやさしいまちづくり・ユニバーサルデザイン!?ってなぁに
(10月25日) |
伊賀市公共施設ユニバーサルデザイン調査をだれにでもわかりやすく伝えるために「みんなでやさしいまちづくり・ユニバーサルデザイン!?ってなぁに」としました。「ユニバーサルデザイン」とは何なのでしょう。ユニバーサルは英語で、普遍的な(すべてのものにあてはまる、すべてのものに共通)という意味です。そして、デザインは設計という意味で、すべての人にあてはまる設計と直訳すことができると思います。
10月19日付朝日新聞に掲載された、日本福祉大学教授森本正昭氏の私の視点「本のデザイン・ページが閉じない工夫を」では、「誰にも使いやすいよう工夫をこらすユニバーサルデザイン(UD)の視点がありふれたものほど欠落していることがある」と指摘しています。障害のある人たちが本のページが開こうとしても閉じてしまうことで、不便を感じていることを知りました。視点では「現に不自由さを体験している人々を支援するための配慮を積み重ねていくことにより、大多数の障害を持たない人にも利益になる価値の変換は起こるはずである。本にはまだまだ改善の余地が残されている」と提言しています。
実は、私も本のページが閉じてしまうことに不自由さを感じていたひとりでした。開いたページを維持するために、本の上にものをおくと文字が読めない。読んでいる途中に手を離すと、ページがめくれてしまう。ページを開いたままにしておくために、本を伏せておくと勝手に閉じてしまったという経験は誰もが持っているのではないでしょうか。さらに、開いた本のコピーは必ずゆがんでしまいます。厚みのある本は、こういうものだと思いこんでいましたが、使いにくさが改善できたら、本を読む事がもっと楽しくなるかもしれません。
静岡英和学院大学の白山靖彦講師から指導を受けて、市民、行政、NPOの協働で「ユニバーサルデザイン調査チェック票づくり」をしました。施設を見るユニバーサルデザインの視点は、@わかりやすさA利用しやすさB心地よさ(美しさ)の3つです。事前調査の結果から、利用しやすいと感じる設備(場所)は心地よさにも同様の評価がされていることから、2つの視点は関連していることがわかりました。利用しやすいものは心地よいものです。利用し難いものに心地よさを感じないことに、みなさんも納得されるのではないでしょうか。施設内を高齢者や障害のある人、ベビーカーを押している人、怪我をしている人などの立場で見てみると、利用し難いのでは(?)と思う設備(場所)は、実は自分自身にとってもそうであることに気がつきました。最近、多目的トイレの壁にたくさんのボタンが設置されるようになりました。どのボタンを押したらいいのか、迷ってしまうのは私だけでしょうか。
日常生活の中で、不便、不自由を感じているのは特定の人だと思いこんでいないでしょうか。自分には関係がないと思っていないでしょうか。ふだんの生活の中で、いつの間にか当たり前になっているものの見方、考え方、感じ方、行動のしかたは「意識」しないと気がつくことが少ないと思います。何が問題なのか。「おかしい」という問題意識を育んでいくことが「ユニバーサルデザイン!?ってなぁに」です。
自分の人生をデザインするのは自分自身です。自分らしく生きることのできるまちは、ユニバーサルな、すべての人にとっても暮らしやすいまちではないでしょうか。「みんなでやさしいまちづくり」に向けて、11月から公共施設調査をします。みなさん、ご協力をよろしくお願いいたします。 (孫 美知)
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| ハチドリのひとしずく(9月25日) |
みなさんは「ハチドリのひとしずく」という絵本をご存知でしょうか。8月23日にNHKテレビ「ニュースウォッチ」でも紹介されたそうですが、南アメリカのアンデス地方に伝わっている「小さな物語」です。
森が燃えていました。
森の生き物たちは
われ先にと逃げていきました
でもクリキンディという名のハチドリだけは
いったりきたり
くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」
といって笑います。
クリキンディはこう答えました。
「私は私にできることをしているだけ」 ( 監修・辻 信一 光文社 より抜粋)
たった12行の物語ですが、私たちにさまざまな問題提議をしているのではないでしょうか。
辻信一氏の解説は「地球温暖化、戦争、飢餓、貧困・・。ぼくたちの生きている世界は深刻な問題でいっぱいです。しかしぼくは、それらの重大な問題よりさらに大きな問題があるという気がします。それは「これらの問題に対して、自分にできることなんか何もない」とぼくたちがあきらめてしまっていること。もしもこの無力感を吹き払うことができたら、つまり、「私にもできることがある」と思えたら、その瞬間、ぼくたちの問題の半分はすでに解決しているのではないでしょうか。(中略)さて、燃えていたあの森はその後、どうなったでしょう。森は燃えてなくなってしまったのでしょうか。それとも・・。物語の続きを描くのはあなたです。」と最後に結んでいます。
同夢の活動は公共施設調査から始まり、その目的は施設がバリアフリーになっているかを知ることでした。しかし、施設に行ってわかったことは、設備などが使えないのは技術的な問題だけではなく、人を理解していない、尊重していないということでした。視覚障害者用誘導ブロックを目の不自由な人が使うものだと理解できずに、床のデザインの一部にしてしまった施設もありました。(誘導ブロックはいまだに、そのままです)市民活動団体が施設を調査することの「反発」や「無理解」の壁にぶつかってきましたが、「私たちのできること」を継続してきました。施設づくりをとおして、地域で生活しているさまざまな人たちの存在を理解すること、尊重すること、多くの人たちの声を聴くことの大切を伝える活動をしてきました。
6年目の活動に入り、地域から「ユニバーサルデザインを知りたい」と声をかけていただくようになりました。学校やまちづくり協議会などで、それぞれの取組みも始まっています。あるまちづくり協議会の健康福祉部会では、すべての人に配慮した、すべての人が利用しやすいユニバーサルな製品の展示と施設のスライド紹介で「ユニバーサルデザイン」を発信する計画づくりをしています。
始まりは「ひとしずく」の活動でしたが、確実に地域にユニバーサルデザインの輪が広がっているのを感じています。ささやかな目立たないことも「継続」することで、意識も地域も変わっていくのではないでしょうか。みなさんも物語の続きを描いてみませんか。 (孫 美知)
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| ひとにやさしいまちづくり(8月25日) |
ひとにやさしいまちづくり実行委員会は2005年12月、伊賀市立青山小学校に協力をしていただいて、子どもたちにアンケート調査を実施しました。このアンケートは地域の未来を担うであろう子どもたちの様子や考え方を知ることが目的でした。青山小学校は少子化に伴い、2004年4月に青山地域にあった3つの学校を統合しました。統合により、校区が広範囲になることで、地域や友だちとのふれあいや結びつきが薄らいでいくことが予測されます。
調査対象者は4年生から6年生の子どもたちです。設問は「おじいさんやおばあさんが家の近くにいますか」などの家庭や学校での人とのふれ合い。「車いすの人が駅のホームにあがることができなくて、困っています。あなたならどうしますか」など障害のある人、高齢者、小さな子どもとの関わり方。「黄色の誘導ブロックを知っていますか」など、学校内にある様々な人に配慮した設備に気がついているか。「やさしいということばから思いつくもの」など、全16問としました。
アンケート結果から、子どもたちの家庭や地域との関わりかたを知ることができました。考察の最後には「価値観の多様化やライフスタイルの変化などにより、青山校区も都会化していく中でおじいさんやおばあさんをはじめ、家族とつながっていることや地域性(いなかのよさ)をアンケート結果から読み取ることができました。地域の未来を担う子どもたちには、やさしさを人から求めるのではなく、自分から発信していくことにも気がついていって欲しいと思います。さまざまな人たちとの出会いをとおして、相手の立場に立って考えることのできる共感性を育むことが望まれます。つまり、地域の中で、地域の人たちの協力で『今の時代に合ったひとにやさしいおせっかいな子ども』を育てていくことが求められています」と締めくくらせていただきました。
実行委員会は2006年度もアンケート調査に基づいて、引き続いた活動をしていきます。7月に名張市で人権劇に取り組んでいる「はっぴぃま〜る」を訪問しました。はっぴぃま〜るはすべての人が共に生きることをめざして、劇を創作・上演していく活動をしています。今まで部落問題がドラマなどの中心テーマになったことがなく、啓発映画は日常的ではないことから、自分たちの身近な話題を取り上げています。そして、自分自身の経験や体験から感じたことや伝えたいことを主人公に語らせることを通して、「誰もがしあわせになる権利」を訴えています。劇団の方々のお話を聞かせていただき、劇への情熱や継続していくことの大切さを学ばせていただくことができました。(ありがとうございました)
また、青山地区以外の子どもたちを取り巻く環境についても知りたいと、皇學館大學社会福祉学部助教授の檜垣博子先生からお話を聞かせていただくことにしました。檜垣先生からアドバイスをいただき、子どもたちをはじめさまざまな人たちと一緒にひとにやさしいとは(?)を考えることのできる、台本づくりをしていく予定です。
さて、はっぴぃま〜るのメンバーから劇の題名も「ひとにやさしいまちづくり」としてはどうかという提案をいただき、9月から本格的に活動が始まります。私たちが伝えるべきこと、伝えたいものは何なのか。参加者が自分自身に問いかけながら、創作していきたいと思っています。完成は来年の3月の予定です。
関心のある方はどなたでも参加できます。ひとにやさしいまちづくり劇をみなさんで、創り上げてみませんか。 (孫 美知)
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| 伊賀市公共施設ユニバーサルデザイン調査事業(7月25日) |
2000年4月、地方分割一括法の施行により、住民と自治体が協力して地域のことは地域で決めていく方向性が明確になりました。伊賀市では市町村合併後の2004年12月に伊賀市自治基本条例が施行されました。自治基本条例は伊賀市の憲法として位置づけたもので、まちづくりの基本指針や実現するための自治のしくみを条例として定めたものです。第12条に「私たち市民はまちづくりの主体であり、まちづくりを行う権利を有する」という文言から、市民がまちづくりの主体であることを明らかにし、まちづくりに参加する権利があることを明確にしています。
ユニバーサルデザインとは年齢、性別、身体、国籍など、人々が持つ さまざまな特性や違いを超えて、はじめから、できるだけすべての人が 利用しやすい、すべての人に配慮した環境、 建物、施設、製品等のデザイン をしていこうとする考え方です。三重県では「バリアフリーのまちづくり推進条例」のもとに、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めています。しかし、伊賀市にはユニバーサルデザインのまちづくりを進めていく指針がありません。伊賀市で総合計画づくりが始まった時に、総合計画の中にユニバーサルデザインのまちづくりを位置づけていただけるように、委員さんや関係部署に働きかけをしました。また、市民参加のひとつでもあるパブリックコメントも提出しました。その結果、本年施行された伊賀市総合計画の中に「だれもが尊重される人権文化のまちづくり・ユニバーサルデザインの理念に基づいたまちをつくる」という施策を入れていただくことができました。また、地域福祉計画の中でも「安住の地域づくり」の基本施策として「誰もが暮らしやすいユニバーサルデザインのまちづくり」があげられています。ユニバーサルデザインのまちづくりについては市民からの意見や提案を尊重していきながら、誰もが暮らしやすいまちづくりをめざすことなどが明記されています。
以上のような背景のもとに、今回伊賀市に提案した「伊賀市公共施設ユニバーサルデザイン調査事業」は、市民、行政、NPOと協働して、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めていくことを目的にしています。多くの人たちに、ユニバーサルデザインの考え方を理解していただき、伊賀市にもユニバーサルデザインを広げていきたいと考えています。7月20日には、ユニバーサルデザインの考え方と施設整備について理解していただくことを目的に研修会を開催しました。9月から、調査の基本となる「調査チェック票」を市民と一緒に作っていきます。施設を訪れる利用者が、施設をどのように見ているのか。利用しやすさとはなど。ユニバーサルデザインの7原則(公平、柔軟、単純、わかりやすい、安全、身体的負担がすくないこと、近づきやすいこと)を活用していきます。ユニバーサルデザインを推進している県や市では、ユニバーサルデザインのチェック票が作られ、施設を評価していく取組みが進められています。伊賀市でも市民の視点を入れたものを作っていく予定です。そのチェック票にもとづいて3年計画で施設調査をしていきます。
公共施設は不特定多数の人たちが利用するものとして建設されてきましたが、事業者と行政の協議のみで建設されている事が多く、利用する市民の視点が欠如していることが多いのではないでしょうか。では4人に1人が高齢者です)や障害のある人、妊産婦、子ども、怪我をしている人、ことばのわからない外国人などのすべての人に利用しやすいものであるのか。市民参加のもとで、ユニバーサルデザインの視点で検証し、調査結果を施設の改善や新しい施設建設に反映していただくことができたらと考えています。
みなさんのご意見とご参加をおまちしています。 (孫 美知)
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| 国際シンボルマーク (6月25日) |
みなさんは「車いすマーク」を見たことがあるでしょうか。「見たことがない」という方はほとんどいないのではないでしょうか。車いすマークの正式名称は「国際シンボルマーク」といい、駐車場や多機能トイレ、エレベーターなどの設備や電車やバスなどに使用されています。国際シンボルマークは障害のある人々が利用できる建築物や公共輸送機関であることを示す、世界共通のマークです。1969年、国際シンボルマークは障害をもつ人々にも住みやすいまちづくりを推進するために国際リハビリテーション協会により採択されました。日本では、1981年の国際障害者年をきっかけに障害者問題への関心が高まり、国際シンボルマークが多くの人に知られるようになりました。しかし、多くの人に知られていくことの反面、国際シンボルマークの趣旨が誤解され、誤った使われ方が増えていることが懸念されていました。
最近、伊賀市内でも道路に誤った使い方をされていたことが新聞各紙に掲載されました。3月、伊賀市銀座通りの拡幅工事に伴い、2mの停車帯が設けられました。停車帯から歩道へ入りやすいように、縁石を切り下げた場所12ヶ所に(停車帯の幅2m×長さ1.2m)国際シンボルマークが使用されました。使用した理由について、県伊賀建設事務所は「車いすをご利用の方でも停車された車両から歩道へ入りやすいように考えましたが、その乗入部がどこにあるかが判りにくいこと。また、停車車両から歩道へ乗り入れようとした際に、他の車両が停車されていることによって、乗入部が利用できないような事態が懸念されていたため、路面標示することで、優先的にご利用いただけるよう配慮させていただきました」と語っています。
建設事務所は2つの大きな誤りをしました。ひとつ目は国際シンボルマークには使用指針があり、停車帯に使用してはいけなかったことです。使用指針では@建築物にマークを設置する際はハートビル法や地方自治体のまちづくり条例(三重県バリアフリーのまちづくり推進条例)などの設置基準にもとづき使用すること。A公共輸送機関に設置する場合は安全に利用できるスペースが確保されていることとされています。したがって、個人の車に表示することも趣旨とは異なり、障害のある人が乗車していることを、周囲に知らせる程度の表示となるそうです。ふたつ目は車いす使用者が2mの幅しかない停車帯に車を停めても、車から乗り入れができないことを知らなかったことです。県条例の整備基準では車いす駐車場の幅を3m50cm以上と定めています。車いす使用者は車から乗り降りする際に、ドアを全開にして車いすの出し入れをしますので、幅2mでは不可能です。万が一乗り降りが出来たとしても、後続車が来て渋滞になり、事故につながることも予測されます。
今回のことで、税金が無駄に使われてしまったことや行政職員の知識不足が露呈しました。が、何よりも残念なのはさまざまな立場の人たちの意見を聞く機会を持たなかったことです。すべての人に利用しやすいものづくりに必要なことは企画、施行、評価まで利用者の声を聞き、反映させていくことです。改善点を次のものづくりにいかして、より利用しやすくすることを繰り返していくこと。それがユニバーサルデザインの考え方でもあります。
私たちには国際シンボルマークの意味について、認識することができたよい機会となりましたが、県には今後再び、このような間違いをしないように「住民参加」の意義を改めて考えて欲しいと思います。 (孫 美知)
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| 身体障害者補助犬(ほじょけん)法 (5月25日) |
みなさんは「身体障害者補助犬法」をご存知でしょうか。この法律は2002年、身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与するために施行されました。
身体障害者補助犬法のでは、補助犬とは「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」といいます。「盲導犬」は目の不自由な人を補助する犬です。道路の段差、階段やエスかレターの上り口や下り口、交差点の角、バスや電車などの座席、椅子に位置などの障害物を知らせます。「介助犬」は肢体不自由者を補助する犬です。物を拾い上げる。衣服の着脱を補助する。扉を開ける。エレベーターのボタンを押すなどの介助をします。「聴導犬」は耳の不自由な人を補助する犬です。ブザーの音、電話の呼び出し音などを聞き分けて誘導し、覚まし時計やドアベルの音、赤ちゃんの鳴き声などを知らせます。
盲導犬については道路交通法第14条に規定があります。《(目が見えない者、幼児、高齢者の保護)@目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ)は、道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない》そして、国家公安委員会による育成団体の指定が行われ、盲導犬を伴う目の不自由な人が飲食店や宿泊施設、公共交通機関を円滑に利用できるよう求める各省庁の通達が出されています。しかし、法律が制定されるまで、介助犬や聴導犬ペットは扱いされ、使用者が同伴して飲食店や宿泊施設、公共交通機関を円滑に利用できない状況がありました。
そこで、法律では「介助犬」と「聴導犬」を補助犬と定義し、「厚生労働大臣が指定する法人から認定を受けている犬」としました。また、使用者には補助犬を同伴して、公共交通機関や公共的な施設を利用するために、補助犬である旨を明らかにするために表示と他人に迷惑を及ぼすことがないようその行動を十分管理しなければならないという義務があります。公共交通機関、公共的施設は補助犬を同伴しての利用を拒んではならないことや職場や公団住宅での使用が自由になりました。03年には法律が全面施行され、ホテルやデパートなどの不特定多数が利用する施設にも補助犬の同伴が自由になりました。しかし、民間の事務所、住居は「利用を拒まないように努めなければならない」という努力義務になっています。法律が施行されても施設が法律を理解していなければ、使用者は法律の内容について説明をしなければなりません。また、補助犬の同伴を拒否されたとしても拒否した側に「罰則規定」はなく、施設側の判断に委ねられる形になります。そして受け入れを拒否された人が相談できる救済機関がないなどの課題があります。
障害のある人の自立や移動など、自分らしく生きることのできる環境づくりに補助犬の持っている役割は大きいと思います。しかし、社会の受け入れ体制ができていないことや補助犬そのものが少ないことなどの問題が山積しています。今年は施行から3年後の見直しの時期になっていることもあり、ひとりでも多くの人が、いま「補助犬法」について知ることが大切だと思います。「身体障害者補助犬法・第24条」に「国民は、身体障害者補助犬を使用する身体障害者に対し、必要な協力をするよう努めなければならない」と私たちの役割も明記されています。補助犬がいることが当たり前になっている社会をめざして、今年度の活動の中で、補助犬法についての意識調査をしていきます。みなさま、ご協力をよろしくお願いいたします。
(孫 美知)
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| バリアフリー新法 (4月25日) |
4月20日から23日まで、大阪市のインテックス大阪で、高齢者・障害者の快適な生活を提案する総合福祉展「バリアフリー2006」が開催されました。毎年春に、企業などが福祉車両・福祉用具・書籍などを展示し、大阪市内外から多くの人が訪れています。今年はバリアフリー展事務局と国土交通省近畿運輸局主催の「バリアフリー2006フォーラム〜交通バリアフリーとまちづくりを考える〜」が開催され、そのフォーラムに参加をしました。
「移動上のバリアを取り除き、安全かつ円滑な移動を図ること」を目的とした「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法)」が、2000年に制定されました。この法律は鉄道事業者などに公共交通機関の旅客施設と車両の構造や設備のバリアフリー化、地方自治体には駅周辺500m〜1km以内におけるバリアフリー化を推進したもので、法律の中で数値目標も定められています。また、不特定多数が利用する建築物のバリアフリー化を定めた法律として、1994年に制定された「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法)」があります。その2つの法律を一本化することで、建築物と旅客施設をつなぐ経路を含めた地域全体をバリアフリー化することをねらいとした「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(案)」が2月28日に閣議決定されました。通常国会で審議され、6月頃に交付、秋頃に施行予定になっています。
みなさん、バリアフリー新法をご存知でしょうか。新法の制定が新聞やテレビなどのニュースで大きく取り上げられることがなかったので、実は私もよくわかりませんでした。新法制定の背景として、昨年7月に国土交通省が策定した「ユニバーサルデザイン政策大綱」があります。「具体的施策」の1に「ユニバーサルデザインの考え方を踏まえた多様な関係者の参画の仕組みの構築」を掲げ、@公共施設の整備や国土計画の策定には、利用者や住民、NPOが参加する仕組みをつくるA活動の担い手として住民、NPOを支援するB国交省が先導的に取組み実施する。3の「一体的・総合的なバリアフリー施策の推進」では、建築物や公共交通機関のバリアフリー化、駅等を中心とした一定の地域内における一体的・連続的なバリアフリー化を促進し、バリアフリー施策を総合的に展開するため、ハートビル法と交通バリアフリー法の一体化に向けた法制度を構築する。ということが明記されています。
新法は今まで対象となっていなかった道路、路外駐車場、都市公園の新設等のバリアフリー化を義務化するなど、交通バリアフリー法が基本となっています。また、バリアフリー化の対象施設を追加するだけでなく、高齢者や障害者などが生活上利用する施設を含む一定の地区について、市町村が基本構想を作成し、重点整備できるようになっています。基本構想策定時に市町村、事業者だけでなく、高齢者や障害者等により構成される協議会を発足させることを法制化し、住民などが基本構想の作成を提案できる制度も創設しています。つまり、計画段階から住民参加の促進を図るようにしています。
今日さまざまな計画づくりに住民参加が求められ、行政と協働で進められるようになりました。しかし、私たちは時として経験だけの、自分を基準においた発言をしてはいないでしょうか。今回のフォーラムでは新法の枠組みを知るとともに、まちづくりにはさまざまな知識をもって、多様な視点でとらえることのできる能力が必要であること。気づきを自分のまわりから地球規模の大きな視野へと広げていくことが大切であることを学ぶことができました。 (孫 美知)
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