沖縄のお盆は、本島のお盆と違い、例年・旧暦の7月15日に行われます。これだけでもちょっと珍しい沖縄のお盆ですが、行事そのものも、とっても独特です。
沖縄のお盆・基本情報
沖縄に移住をすると、正月以上に盛り上がる「盆行事」に、誰もが驚きます。まずは、沖縄の行事を紹介する前に、知っておきたい沖縄のお盆・基本情報をまとめてみました。
沖縄のお盆は旧暦で行われる
沖縄の伝統的な行事は、基本的に旧暦で行われており、今でもその風習を受け継いでいます。
正月以上に盛り上がりを見せる沖縄のお盆も、この風習を受け継いでいる行事の一つで、毎年旧暦の7月15日に行われます。
2017年の沖縄のお盆は、9月3日(日)~9月5日(火)になります。
沖縄ではお盆の言い方も違います
沖縄のお盆は、全部で3日間あります。それぞれ、沖縄の方言で言い方が決まっています。
- ウンケー
- 本土では迎え火をたく日に当たる盆の初日を、沖縄では「ウンケー」といいます。
- ナカビ(ナカヌヒ)
- 本土でも、盆といわれている日は、正しくは「中日」と呼ばれています。そのこともあるのか、沖縄では盆の2日目を「ナカビ(ナカヌヒ)」といいます。
- ウークイ
- 本土では送り火をたく日に当たる盆の最終日を、沖縄では「ウークイ」といいます。
沖縄では盆踊りよりエイサーです
本土では、盆のダンスイベント(?)といえば「盆踊り」がありますが、沖縄では、盆踊りは一般的ではありません。
沖縄の盆踊りにあたるダンスイベントといえば、「エイサー」。このエイサーこそが、沖縄の伝統文化であり、お盆なのです。
沖縄のお盆は、お供え物が違います
本土のお盆といえば、精霊馬やだんごなどがお供え物の基本。ですが、沖縄のお盆のお供え物は、本土のお盆のお供え物しか見たことがない人にとって、驚くことばかり!
豪華なお供え物にも驚かされますが、「なんでこれが?」と思うような品物もあり、見るだけでもびっくりします。
ウンケーのお供え物
ご先祖様をお迎えするお盆の初日は、遠路はるばる帰ってきてくれたご先祖様のために、仏壇に豪華なお供え物を並べます。さらに仏壇には、仏壇専用の提灯をセットし、華やかにお迎えします。
本土ではほとんど見られないウンケーのお供え物
- スイカ
- さとうきび
- ショウガ
- 里芋
ウークイのお供え物
ウークイは、ご先祖様をお見送りする大切な日。
そのため、仏壇には、お供え物の定番である「重箱」をお供えし、あの世のお金である「ウチカビ」を準備します。
ナカビは特にお供え物はしない
ご先祖様のためにたくさんのお供え物をする沖縄のお盆ですが、ナカビだけは、特別なお供え物はしません。
なんと、ナカビは、自宅にやってきたご先祖様も、「帰省の中日だから家でゆっくり過ごしている」という理由で、おもてなしとしての豪華なお供え物はしないのだそうです。
沖縄では、盆踊りではなくエイサーがメイン
沖縄でお盆といえば、「浴衣に盆踊り」ではなく、「ビール片手にエイサー見物」が一般的です。
エイサーの見所「道ジュネ―」
エイサーは、「あの世にお帰りになるご先祖様を送るための踊り」といわれています。
そのため、地元の各青年団が、伝統の衣装をまとい、踊りながら道を練り歩く「エイサー」が、沖縄のお盆の風物詩です。
エイサーは、イナグモーイも見所
エイサーといえば、太鼓をたたきながら足を上げ勇壮に踊る「男踊り」が有名ですが、女性の踊り手もいます。
女性の踊り手は、「イナグモーイ(女手踊り)」といい、男踊りの列の後ろで、踊りに華を添える役割があります。
沖縄のお盆のフィナーレは「ウークイの儀式」
沖縄のお盆最終日は、できるだけ夜遅くまで続けるのがご先祖様への礼儀といわれています。
この考え方の基本には、「できるだけ長く家で過ごしてほしい」という願いが込められています。
でも、お盆の期間が終われば、ご先祖様は、再びあの世にお帰りになる存在。だから、ご先祖様を見送るための儀式があります。
線香をあげ、ウチカビを焚いて見送る「ウークイの儀式」
ご先祖様をお見送りするわけですから、ウークイの儀式は夜遅くに行われます。仏壇の前に一堂が集まり、きちんと正座をしたうえで、仏壇に線香を供えます。
そのあと、専用の金物ボールで、あの世のお金である「ウチカビ」を燃やし、ウークイの儀式が終了します。
仏壇のある家には、ウチカビを燃やす専用の道具がある
ウチカビを燃やすのは、仏壇の前です。室内にある仏壇の前で、紙製の「ウチカビ」を燃やすので、慣れていない人がウチカビを燃やすと、部屋中ススだらけになります。
ちなみに、ウチカビを燃やす道具は、仏壇のある家には必ずあります。
沖縄のお盆行事は、正月以上に盛り上がる伝統行事
沖縄のお盆は、旧暦で行われるため、年によっては3日間ともすべて平日ということもあります。それでも、仏壇が安置されている家に親戚一同が集まり、ご先祖様をお迎えしながら過ごす大切な日です。
この期間は、観光スポットや公共施設も休業日としていることが多いため、沖縄移住一年目だと、いろいろな意味で驚く3日間となります。