沖縄の焼物は本土の焼物とは違った魅力があり、土産物としても人気があります。でも誰かにプレゼントするために買うのであれば、沖縄の焼物ならではの意味や由来を参考にして選ぶ方法があります。
シーサーの選び方のポイント
シーサーは、家や集落の守り神として古くから沖縄で大切にされてきました。
特にシーサーは強風や火災除けの効果があるので、古くは瓦屋根の上に設置することが一般的でした。
今では瓦屋根の家が少なくなったため、玄関の入口に置くことが一般的です。
最近は土産物品としても人気があるので、シーサーといってもサイズやデザイン、表情など様々なものがあります。
でも基本的にシーサーの場合は1対で買うものなので、誰かにプレゼントとして購入するのであれば置く場所のスペースを考えて購入するのが一番のポイントになります。
ただもう一つ注意しておきたいのが、「シーサーは定番の沖縄土産」ということです。
せっかくいいものが見つかっても、すでに別の人からシーサーをもらっている場合もあります。
こういう場合はもらう方も「うちにはもうシーサーがいるのに、もらったシーサーをどこに置けばいいのかしら」と悩んでしまいます。
そんなときにおすすめしたいシーサーがあります。
沖縄のシーサーの中には額に「王」の文字が書かれているものがあります。これは中国の文化が関係しています。
中国では虎の置物の額に「王」と書かれているのですが、これは虎の額の黒い縞模様が「王」という字に見えることに由来し
ます。
この中国の虎の置物が琉球に伝わってきたため、額に「王」と書かれたシーサーも存在します。
このシーサーの意味を知る沖縄県民も少ないので、実際に土産物品店で探すのは難しいかもしれません。
どうしても見つからない場合は、シーサーの手作り体験をして、自分でシーサーの額に「王」を書き入れてみてはいかがでしょうか?
上司へのお土産には牡丹の紋様がおすすめ
沖縄の焼物の紋様には、中国の文化が色濃く影響しています。
例えば菊の紋様も沖縄の焼物ではよく見かけますが、菊はもともと中国から伝わった花であり病を治す薬としても使われた花です。
ですから「病が治る=寿命が延びる」となり贈答品として人気の紋様の一つになっています。
さて問題は上司に贈るのにおすすめの牡丹の紋様の件でしたね?実は牡丹は中国では「花の王様」と呼ばれています。
そのため「お金持ちの象徴」「地位が高いことの象徴」とされています。
焼物好きの方にとって紋様は好みが分かれるのですが、沖縄の焼物に伝わる牡丹の紋様の意味を伝えれば焼物にうるさい上司でも喜んで受け取ってくれるでしょう。
ご利益が期待できる焼物はめでたい紋様から選ぶ
沖縄の焼物には、ご利益が期待できそうなめでたい紋様がたくさんあります。
でももともと沖縄の焼物は素朴な印象の作品が多いので、一つひとつの紋様に込められた意味を知らないとただの地味な紋様に思えてしまうかもしれません。
そこで沖縄でめでたさの代表といわれる代表的な3つの紋様のみ紹介します。
まず一つ目は「魚」です。沖縄の焼物ではよく目にする「魚」ですが、方言では「イユ」といいます。
ただこの読み方は、もともとは中国の読み方でもあります。中国ではイユは「余」と書き、「有り余る」という意味があります。
そのため富と幸福の象徴として中国では非常にめでたい紋様とされます。沖縄でも魚の紋様はめでたいものとされていますが、中国のいわれとは別に「子孫繁栄」の意味があります。
次に知ってほしいのが「七宝」です。七宝は同じ大きさの円をつないで作る紋様なのですが、沖縄では「円」という形そのものが非常にめでたい意味を持ちます。
沖縄では「円=縁」と解釈するので、人間関係が円満であることの象徴として使われます。ですから「夫婦円満」「家庭円満」など人間関係にご利益が期待できる紋様です。
最後が「瑞雲と龍」の組み合わせです。雲と龍の組み合わせは中国やおきなわに限らず日本全国でも人気がありますが、沖縄の場合は龍の爪の数と雲の形が違います。
まず沖縄の国を守る龍の爪は4本です。日本の龍は3本、中国の龍は5本なので4本爪の龍が描かれている時点で沖縄の焼物であることが分かります。
なお沖縄の龍との相性が良いのが、渦を巻いた形をした瑞雲です。瑞雲は神様が住んでいる山から湧き出てくる雲といわれているので、悪い気を払う力があります。
この4本爪の龍と瑞雲の組み合わせは沖縄では大変縁起が良いとされているので、龍の紋様の焼物を探す時は瑞雲とセットになっているものを選んでください。
沖縄の焼物に込められた意味を知れば選び方も変わってくる
沖縄の焼物は素朴で力強さを感じるところが特徴です。でも古くから伝わる紋様に注目してみると、同じ焼物でもあり方が変わってきます。
せっかく沖縄の焼物をお土産に買うのですから、たまには沖縄に伝わる由来をもとに選んでみてはいかがですか?