あなたが本当の自分に出会うには手に持ったガイドブックにはない「偶然」というスパイスが必要です。あなたが本当に見つけたかった自分を探すのにどうしてもおすすめしたいスポットを5つ紹介します。
絶景の中静かに自分と向き合える場所【知念岬公園】
琉球王国最高の聖地と呼ばれる斎場御嶽のすぐ近くにあるのに、実はほとんど知られていないのが「知念岬公園」です。なぜならこの場所にたどり着くには、斎場御嶽の入場券の発券所がある「南城市地域物産館」を通り過ぎてさらに海岸線の奥へと進まなければいけないからです。
世界遺産がある斎場御嶽のすぐ近くにこれほどまで美しい水平線を眺めることが出来るのは、沖縄本島内でもこの公園だけです。さらにこの場所は公園の最奥にある展望台。
ここは駐車場からも遠く離れているので、暑さが厳しい時期はこの場所にたどり着く前に皆諦めて戻ってしまいます。だからこんなに美しい景色も一人で静かに眺めることが出来ます。
知念岬公園
- 住所:沖縄県南城市知念字久手堅
- 駐車場:無料
- 見学時間:自由見学
注意点:夜間は街灯がありません。またトイレも周辺にはありません。周辺にはコンビニもありませんので、南城市地域物産館がオープンしている時間に見学するのがおすすめです。
太陽神が降り立ったといわれる海岸【テダ御川】
沖縄には様々な場所に湧水が沸いています。かつてこの場所もそうでした。湧水には聖なる力が宿っているといいます。中でもこの場所は太陽の神様が降臨した場所といわれており、琉球王国時代も国王や神官たちが久高島参りをする際に必ず立ち寄った場所といわれています。
このように説明すると「なんだ、パワースポットか」と思うかもしれません。でも違うのです。おすすめしたいのは、この場所に来るからこそ見ることが出来る美しい自然の景色があるからなのです。
まるで神様が海を歩いて渡るために浮き出てきたかのような岩の列。この景色は見る角度や時間によって色や景色が全く変わります。どんな景色を見ることができるかはあなたの運次第。いや、あなたが信じる「偶然の力」がその景色を見せてくれます。
テダ御川
- 住所:沖縄県南城市知念知名1172
- 駐車場:あり
- 見学:自由見学
注意点:この場所は古くから琉球の人々にとって大切にされてきた拝所です。今も祈りのためにこの場所を訪れる人が多いですから、どうかそうした人の姿を見かけたときは祈りが終わるまでは離れた場所にいてください。でもその時間も、あなたが本当の自分を見つける貴重な時間になるはずです。
変わらないものがあることを教えてくれる場所【平敷屋製糖工場跡】
昭和初期頃に作られた精糖工場の跡地があります。でもこの場所に建てられている説明のための看板を読まなければ、まっすぐに空に向かって伸びた煙突が何を意味するのか分かりません。でもそこに意味など見つける必要はないのです。
どんなに立派な建物でも、時間とともに尊家たちは風化していきます。それと共に人々の記憶も少しずつ消えていきます。
かつてこの場所に共同製糖工場があったことも、この煙突が本当は3本あったことも、そしてこの煙突には戦争の弾痕が今も残っていることも全て時間とともに記憶から消えていきます。でも本当に必要なものは、記憶が消えても必ず形として残ります。それを教えてくれるのがこの場所です。
平敷屋製糖工場跡
- 住所:沖縄県うるま市勝連平敷屋
- 駐車場:なし
- 見学:自由見学
何も考えずにただ風の音を聞く【グスクロード】
沖縄を旅していると、なんてことのない場所なのにひどく心が揺さぶられる場所があります。そこにあえて意味をつけるとしたら、「偶然が引き寄せてくれた奇跡」というのかもしれません。
この場所は何もありません。グスクロードと呼ばれる一本道があるだけです。珍しい史跡もなければ、展望台もありません。ただひたすら歩いていると出会えます。
グスクロード
- 住所:沖縄県南城市玉城中山
注意点:地元の人以外はほとんどこの道を使うことはありません。約4㎞ありますが、緩やかな山道になっています。歩きやすい運動靴と汗拭き用のタオル、日よけのための帽子は必ず持って出かけてください。
昼に月が浮かぶ城【玉城城址】
玉城城址は見晴らしの良い山の上に立つ城です。城壁の中に入るには、人が一人やっと通れるスペースを潜り抜けます。その城壁の入口を山の下から眺めると、昼間なのにまるで満月が闇の中から浮かんでいるように見えます。
入口に立って見える景色は、この場所に立ったあなただけのものです。何しろこの場所は人が一人立つのがやっとなのです。この場所に立ってその瞬間に見ることが出来た景色は、一生あなただけのものです。あなたの持つ偶然の力が、あなたに最高の景色を見せてくれるはずです。
玉城城址
- 住所:沖縄県南城市玉城字玉城444番地
- 駐車場:あり
- 見学:自由見学
注意点:夜間はかなり危険です。城壁近くまでは階段がありますが、城壁の中は自然の城跡そのものです。安全のためにもぜひ運動靴を履いてから見学してください。島ぞうりだと切り立った岩場もあるので怪我をします。