音楽を極めたい人に大人気のスポット【赤犬子宮】

赤犬子宮

「音大に合格したい」「音楽コンクールで優勝したい」という人に絶大な人気があるパワースポットが、読谷村にある赤犬子宮です。音楽コンクールや音大受験の前になるとたくさんの人が集まる人気スポットの秘密とは?

赤犬子宮に祀られている人物とは?

赤犬子宮に祀られているのは、琉球音楽の始祖といわれている赤犬子(あかいんこ)です。

「犬」という名前がついているお宮なので犬が祀られているのかと思われがちですが、ここに祀られているのは実在した人物で、歴史書には「阿嘉之子」と書かれています。

赤犬子の母親の名前はチラーといいます。

第一尚氏の一族であるといわれていて、王権をめぐるクーデターによって首里から読谷村に逃れてきたといわれています。

村一番の美女だったチラーにまつわる民話は今も数多く残されているのですが、いずれも激動の人生を歩んだ女性だということを物語っています。

民話によると美人のチラーの恋人となった男性に対する村の男性のやきもちが原因で、チラーは住んでいた村を離れたといいます。

この時チラーのお腹には恋人の子がいましたが、村で出産することができなくなったため遠く離れた津堅島(うるま市)で出産します。そしてこの時に生まれた子が赤犬子です。

赤犬子は、尚真王時代(1477~1526年)に音楽の才能を買われて首里王府で役人をしていました。

当時の琉球王国には三線によく似た楽器がありましたが、現在の三線のように確立したものではありませんでした。

これを独立した楽器の「三線」として発明したのが赤犬子です。さらに赤犬子は、三線に琉歌を組み合わせた唄三線を発明します。

唄三線は琉球の古典音楽の基本であり音楽そのものともいえます。ですから赤犬子は琉球の人々にとって音楽の神様というわけなのです。

ちなみに赤犬子が発明した三線は堺(大阪)港から大和(日本)に伝えられ、そこから三味線として発展し日本全国に広まっていきました。

つまり三味線のルーツをたどると琉球王国の赤犬子にたどり着くというわけです。

小さな南国の音楽が日本の古典音楽にも多大な影響を及ぼしていたのですから、赤犬子の奇跡のような業績は神様のなせる業だったとでもいうべきなのでしょうね。

赤犬子は五穀豊穣の神様でもある

赤犬子宮

赤犬子にまつわる民話はほかにもたくさんあります。村一番の美女を母に持つ赤犬子は、美しい声を持った青年でした。

さらに自らが発明した三線をもって沖縄中を旅して歩いていたといいます。彼が奏でる歌や三線の音色は人々の間で話題になり、いつしか古典音楽の始祖として祀られることになります。

でも彼のことを「五穀豊穣の神様」とする説もあります。これは赤犬子が旅をしながら中国から渡ってきた五穀を沖縄全域に広めていったという説があるからです。

彼が広めたとされる五穀は、厳しい自然環境の中で貧しい暮らしを強いられていた琉球の人々を救います。そこから彼のことを五穀豊穣の神様として祀るようになったといわれています。

どうして人間だった赤犬子が神様として祀られているのか?

赤犬子宮

唄三線の始祖である赤犬子の功績は納得できるものの、「なぜ神様として祀られているのか」についての明確な答えとしてはちょっとあいまいな感じがします。

実はその答えとなる物のヒントがあります。敷地内には「赤犬子終焉の地」と書かれた石碑があるのですが、それが赤犬子が神様となったとされるヒントです。

赤犬子宮

沖縄全域を旅してまわっていた赤犬子ですが、晩年は生まれ島である現在の楚辺集落に戻ってきます。

生まれ縞に戻ってきた赤犬子は集落を見渡せる岩山に登ります。すると天から聖なる光が赤犬子に向かって降り注ぎます。そして赤犬子はその光に導かれるようにして昇天していったのです。

赤犬子宮

この不思議な出来事があった岩山は聖地とされ、「赤犬子終焉の地」として祠が建てられました。

これが現在私たちも目にすることができる赤犬子宮であり、お宮がある場所こそ赤犬子が神様となった場所なのです。

サンシンの日には赤犬子宮で三線の献奏

赤犬子宮

毎年3月4日は「サンシン(三線)の日」とし、様々な場所で三線のイベントが行われます。

回を重ねるごとにサンシンの日イベントはエリアを広げ、今では県内・国内にとどまらずハワイ、シカゴ、ブラジル、ロサンゼルス、北京、ドミニカ共和国など世界各国にまで広がりを見せています。

もちろん三線の始祖といわれる赤犬子が祀られている赤犬子宮でも、サンシンの日は特別な一日となります。

例年赤犬子宮では正午から約1時間の奉納演奏会が行われ、多くの三線奏者たちが集まります。

読谷まつりでは赤犬子にちなんだ古典音楽の演奏会が行われる

毎年10月の最終土・日曜日に読谷村ないで行われる「読谷まつり」では、琉球音楽の始祖である赤犬子をステージに迎えたイベントが行われます。

中でも赤犬子琉球古典音楽大演奏会は、神様である赤犬子を前に琉球古典音楽の三線奏者たちがステージ上に勢ぞろいし圧巻の演奏を行います。

日が傾き涼しい風が吹きぬける夕方から夜にかけて行われる大演奏会は、心地よさの中にも凛とした緊張感があります。

また年々規模も大きくなっているので、最近では県内だけでなく県外・海外からも多くの見物客が訪れます。

赤犬子宮の基本情報

赤犬子宮

  • 【住所】
    沖縄県中頭郡読谷村楚辺1189
  • 【見学】自由見学
  • 【その他注意事項】赤犬子宮の入口はとても分かりにくい場所にあります。トリイステーションの入口正面にファミリーマートがあるので、そこを目印にして向かってください。(※ファミリーマートを通り過ぎると道に迷います。)

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