沖縄を旅行する人なら、誰でも訪れるであろう首里城。その首里城のすぐそばに、歴史の道、金城町石畳道があります。趣のある道を歩いてみましたので、ご紹介いたします。
金城町石畳道とは
琉球王朝時代に、首里城から那覇港に通じる軍用道路として使われていた真珠道(まだまみち)の一部です。
真珠道とは、琉球王朝時代の16世紀に作られた首里から那覇港にかけての約9kmの街道でした。有事の際は首里城の軍隊が島尻間切の軍隊と合流し、那覇港へ駆けつけた軍用道路です。
首里城を見学した時は、軍隊や攻撃的な要素に私は全く気がつきませんでしたが、首里城にも軍隊があったのですね。
そのルートは、守礼門脇の石門から金城町石畳道、識名坂(しきなひら)、真玉橋(まだんばし)、石火矢橋(いしひやばし)、豊見城城下の東北側、小禄の丘の中腹を通り、那覇港の南側の垣花(かきのはな)の屋良座森城(やらざむいぐしく)に至るものだったと言われています。
金城町石畳道のスタート
首里城の駐車場の向かい側に「真珠道」の石碑が立っています。琉球石を敷き詰めた風情のある石畳が続きます。
石畳の両側はふつうの民家なので、歴史と共存していて、以前訪れた鎌倉の町並みが思い出されました。
眺めの良いカフェは是非立ち寄りたいスポットです
少し坂道を下ると、「石畳茶屋真珠(まだま)」が見えます。ネットでも評判のカフェは、是非とも立ち寄りたいスポットです。
テラス席からは那覇の町並みを見ることができます。
風も気持ちよく、湧き水の流れ落ちる音が涼やかです。
早速立ち寄って、「黒糖プリン」を注文しました。まずはそのまま食べてみると、黒糖の風味豊かな濃厚プリンです。
続いて、添えられている黒糖シロップをたっぷりかけて食べてみました。黒糖の味が口いっぱいに広がりました。プリンはあちこちで売られていますが、今まで食べた中で、とびきり満足のプリンです。
今まで食べたプリンはプリンとカラメルソースが一体になっていなかったり、カラメルソースがないものもありました。ここのプリンはシロップとのハーモニーが素晴らしいです。うん。ここのプリンが一番おいしいと言えます。絶賛。
居心地のいいカフェですが、先を急ぎましょう。お会計の時にいただいたサーターアンダギーもおいしかったです。
樹齢300年の大アカギ
石畳道を少し脇にそれたところに、樹齢300年の大アカギの木があります。アカギの木の周辺は、アニメの「トトロ」に出てきそうな雰囲気で、神様がいることを肌で感じます。
木の前に案内板がありました。「このアカギは沖縄戦を奇跡的に乗り越えた木でとても貴重です。年にひとつだけ個々の願いが聞きあげられるとか、「考える力」が授かるところとも言われているそうで、地元の人々が大切にしていることがわかります。
アカギの木を見て、石畳道に戻ると坂道の勾配がとても急になります。ジーンズにスニーカーというスタイルなのに、転がり落ちそうになります。両側はふつうの民家なので、生活道路でもあるはずで、ここを毎日上り下りしている人はさぞ大変なことでしょう。
首里金城町村屋
転がらないように歩いていると、赤瓦の古民家が見えてきました。ここは休憩所として整備されていて、無料開放されています。懐かしい感じに癒されますね。
もう少し坂道を下りると広い道路に出て、終わりとなります。
美しい植物がたくさん
石畳道の途中にはたくさんの植物があって、個人の家と思われるところに看板が立っていて、ちょっと驚きました。
バナナの木。
ブーゲンビリア。
月桃。葉はムーチーと呼ばれる沖縄のお餅を包みます。
極楽鳥花。
この花の名前がわからなくて、Yahoo!で「鳥みたいな花」で検索したら、一発でした。便利な世の中です。金城町石畳道は坂道を上ることも出来ますが、勾配が急なので、首里城側から下ることをオススメします。
転がり落ちそうなくらい急ですので、ヒールは厳禁です。雨の日はすべります。首里城へ行ったら、是非とも訪れて欲しいスポットです。